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麻酔科

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麻酔と麻酔科医の役割
1  手術は病気やけがを治療するために行われますが、体にメスを入れ、病巣を摘出したり、臓器を修復したりするわけですから、そのままの状態では大きな痛みとストレスを伴い、患者さんはとてもこれに耐えることはできません。麻酔科医の役割は、痛みを完全になくし、大きなストレスによる有害な反射(呼吸停止、ショック、心停止など)から患者さんの体を守ることにあります。
  麻酔科医は、適切な量の麻酔薬を投与し、手術中の痛みをとるのはもちろんですが、手術中の患者さんのそばにぴったりとついていて、全身状態をいろいろな最新機器を使って常に厳重に観察し、手術中におこる様々なこと(呼吸の異常、血圧の上下、不整脈、出血、体温の変化など)から患者さんの生命を守っています。そのために、手術中麻酔科医は、酸素の投与、必要があれば人工呼吸、点滴による水分補給、出血に対し必要があれば輸血、血圧の変化や不整脈に対する薬の投与などを行っています。また、手術前に、もちろん手術中であっても患者さんが危険な状態にあると判断したときには、その状態を外科医に伝え手術の中止を決定するのも麻酔科医の重要な役割の一つです。

2 麻酔の安全性
   現在では、安全性の高い麻酔薬が開発され、使われています。また、麻酔装置や麻酔器具、患者監視装置など医療機器も進歩しています。そして、専門医が細心の注意をもって麻酔に携わることにより、麻酔の安全性は非常に高まりました(一般に、麻酔自体による危険性は0.01%程度といわれています)。しかし、手術の種類や手術前の患者さんの状態によっては、絶対に安全とは言い切れない場合もあります。そのような場合には、予め説明いたします。

3 麻酔の種類
   麻酔は手術する部位や患者さんの状態に応じて、いくつかの方法があります。大きくは全身麻酔と局所麻酔とに分けられますが、どちらがよいかは簡単には決められません。どちらにも一長一短があります。病気の部位と病気の性質、手術の方法や手術時間などに応じて麻酔方法が決まります。合併症があったり、特殊な手術である場合などは、麻酔方法や使用する麻酔薬の選択は特に慎重に行われます。
  1)全身麻酔
 痛みを感じる部位である脳や脊髄の機能を一時的に抑えることで、患者さんが手術の痛みを感じないようにします。全身麻酔では痛みや意識はなくなり、手術中の記憶は残りません。多くの場合は、自分で呼吸することができなくなりますので、口から喉にチューブを入れて人工呼吸をします。全身麻酔に使われる麻酔薬は、人工呼吸の管を通して肺から吸収される吸入麻酔薬と点滴から注入する静脈麻酔薬とがあります。吸入麻酔薬、静脈麻酔薬はともに手術中持続的に投与されますので、手術の途中で麻酔が切れてくることはありません。
 2)局所麻酔
 痛みを脳に伝える神経の働きを薬で一時的にブロック(遮断)して体の一部の痛みを感じなくします。脳への作用はほとんどありませんので、局所麻酔中は意識がはっきりしていますが、手術中、必要があれば、また患者さんの希望によって、軽く眠らせることも可能です。

* 脊椎麻酔と硬膜外麻酔
  背中から注射をして、背骨の中を通っている太い神経の束(脊髄)の周囲に局所麻酔薬を注入し、手術する部位から脊髄や脳へ痛みの信号が伝わらないようにする方法です。下半身や下肢の手術のときによく使われるほか、全身麻酔と併用されることもあります。また、硬膜外麻酔では、麻酔薬を入れるための細いチューブを脊髄の近く(硬膜外腔といいます)に残しておいて、手術中及び手術後の痛みや筋肉の緊張を止め、手術した部位の血液の流れをよくする手段の一つとして使います。

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